がん研究

RNAバイオマーカー研究

適切なバイオマーカーは、がんのスクリーニング検査、診断、およびモニタリングを改善していく鍵です。どれが最適なバイオマーカーとわかるのでしょうか?

RNAバイオマーカーを発見し、臨床使用に向けてそれらを開発することは困難が伴います。しかし、この困難を克服する必要があります。がん患者に対してより良いスクリーニング、予後予測、サポートを提供するという最終的な目的が最も重要なことだからです。お客様と弊社が協力することで、がんバイオマーカーの発見までの道筋を楽にし、関連性のある結果を得ることができるようになります。

がんmiRNA、がん遺伝子発現、トランスクリプトームまたは機能研究のための当社のSample to Insightワークフローポートフォリオは包括的なものです。ここでは、最も一般的なワークフローの各ステップを紹介し、必要な情報や製品を見つけやすくしました。ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)サンプルやリキッドバイオプシーサンプルから、RNA-seq解析や新しいがんパスウェイの発見まで、効率を向上し、RNAバイオマーカーの研究を加速させる実証済みのソリューションを提供します。お客様と弊社は共通の目標を目指しています。一丸となってがんを克服しましょう。

RNAの安定化および分離

リキッドバイオプシーサンプルやFFPEサンプルからRNAを分離している方なら、この作業に多くの困難が伴うことをご存じでしょう。RNAの場合に保管条件、前処理、脆弱な性質によって、できる限り最良の結果を得るには計画と準備が必要となります。初めて行うときや、詳細を深く理解する際に役立つリソースをいくつかまとめました。RNAバイオマーカーに取り組む際のサンプル調製に大きな違いを生む内容となっています。

バイオマーカー研究におけるRNA分離の課題

このウェビナーでは、困難なリキッドバイオプシーサンプルやFFPEサンプルから、高品質のRNAを高収率で得る方法について紹介します。

cfDNA collection/stabilization and sample preparation

ガイドおよびポスター

品質管理

反応をセットアップする際やサンプルをコアラボに送付する際、どうすればRNA解析が正しく機能すると確信できるのでしょうか?RNAサンプルの採取、保管、分離時のさまざまな要因が、解析用の鋳型として使用するRNAに影響を与えます。また、品質におけるわずかな違いが結果に大きな影響を及ぼす可能性もあります。ここで出番となるのがRNAの品質管理であり、安心の基になります。QCの方法はさまざまです。これらについて、以下のウェビナーやその他のリソースで紹介および説明しています。

RNAの品質管理

RNAの品質管理についての説明: RNAの品質評価の技術およびその限界について、ライフサイエンス装置部門アソシエイトディレクターのDaniel Lehmannが説明します。 

RNA quality control

ガイドおよびポスター

製品
当社のRNAサンプル調製および品質管理用キットをご覧ください。

RNAおよびmiRNAシークエンシング

次世代シークエンシング(NGS)はRNAバイオマーカーの探索と特性解析において強力な手法ですが、複雑であり、ラボでのセットアップが困難なことがあります。ハイスループットのサンプルをお持ちの場合には、当社がお手伝いできます。当社は、NGSを可能な限り簡単にするよう取り組んでいます。その目標は、NGSをPCR並みに簡単にすることです。それによりNGSを普及させ、小規模ながん研究ラボで使用を開始して、素晴らしい結果が得られるようにサポートすることです。お客様の分析が、遺伝子発現あるいは融合遺伝子の解析のどちらであっても、サンプル数の規模によらず、当社はNGSソリューションによるRNAバイオマーカーの探索を加速化していきます。

困難なサンプルのヒントとコツ

困難なサンプルを取り扱っていますか?ぜひこのウェビナーをご覧ください。QIAGEN研究開発部門のJonathan Schäferが、低インプットのサンプルや低品質のサンプル、FFPEや断片化したRNAによってもたらされる困難を克服する戦略について説明します。 

Tips and tricks for difficult samples

FFPEサンプルからのRNA-seq解析

FFPEサンプルからのRNA-seq解析が困難だと感じますか?ケーススタディ「Rescue of low RIN RNA from FFPE samples and improved RNA sequencing using QIAseq RNA-seq solutions(QIAseq RNA-seqをソリューションを使用したFFPEサンプルのRIN値が低いRNAの救出と、RNAシークエンシングの改善)」をご覧ください。

RNA-seq from FFPE samples

RNA-seqデータの解析

バイオマーカー探索プロジェクトの一環として、NGSを使用して遺伝子発現をうまくプロファイリングした後で、生データを解析して次に進むにはどうすればよいでしょうか?1つの方法はオンラインデータ解析ツールを使用することです。

エキスパートのデータ解析 – RNAバイオマーカー研究のヒントとコツ

当社の専門家George Quellhorstが、最も統計学的に有意差のある発現遺伝子を検出する方法について紹介します。適切なfold changeの定義や、p値フィルターの適用、どのボルケーノプロットおよびヒートマップデータの視覚化を使用するかについて助言します。これらのヒントとコツにより、追跡調査スクリーニングやバリデーション研究のための最も相関性のあるバイオマーカーのサブセットを定義できるようになります。

Expert data analysis – tips and tricks for RNA biomarker research

RNA-seqデータの意味を理解するのに苦心していますか?

当社の簡単なウェブベースのRNA-seq Analysis Portalを使用して、データ解析のストレスを解消し、遺伝子発現の洞察への道の迅速化を図りましょう。

シークエンスファイルをポータルにアップロードし、解析を開始するだけです。FASTQファイルからパスウェイ解析の洞察を得るまで、数日ではなく数時間です。

QIAseq FastSelect Custom RNA Removal Kits
製品
RNAバイオマーカー研究用のNGSキットおよびパネルを参照してください

miRNAプロファイリング

microRNA(miRNA)は、何千ものがん関連遺伝子を制御することで、がんの進行と抑制に深く関わっています。さらに最近、循環セルフリーmiRNAにより、がん早期発見に向けて低侵襲的な検査方法の新しい機会が開かれてきました。 

しかし、血清または血漿中のmiRNA定量は、まだ一貫性と標準化に欠けています。miRNA定量に伴う困難を乗り越えたい場合には、デジタルPCRにご注目ください。デジタルPCR(dPCR)は、標準曲線を要せず絶対定量化でき、qPCRと比べて精度も高くなります。これは、qPCRと比べ、存在量の少ないmiRNAの検出時に特に重要です。循環miRNA量を正確に測定することにより、dPCRは、がん検出に向けたバイオマーカー探索の道筋での貴重なツールとなります。  

正確なmiRNA定量

デジタルPCRは、阻害量が多かったり、核酸含量が少なかったりするサンプル中のmiRNAを定量しようとする際の限界を克服できます。このウェビナーでは、当社の研究開発部門の科学者Domenica Martorana博士が、再現性のある優れた結果を実証する、ナノプレートベースのQIAcuity Digital PCR Systemと併用する専用のアッセイについて紹介します。

Dr_Domenica_Martorana

遺伝子発現解析

遺伝子発現の変化は、非常に貴重な指標で、多くの生物学的機能に対して理解を大きく広げるものです。dPCRを使用すれば、このアプローチを次のレベルに押し上げ、従来の限界を克服することが可能です。例えば、発現量が低いターゲットや発現差が2倍以下の非常に小さい場合、どのような意義があるのでしょうか?これらがdPCRを使用することで分かるようになりました。

dPCR法は、エンドポイント測定や標準曲線不要な絶対定量化により、qPCRよりも正確で再現性の高いデータを提供します。これは、サンプル中の阻害物質や汚染物質の量が多いために希釈された、あるいは発現レベルが非常に低い、非常に低発現量のターゲットで特に大きな意味を持ちます。 

正確で高感度のmRNA定量

QIAcuity Digital PCR Systemで遺伝子発現解析の実行を成功させるには、サンプルインプット、希釈、適切なコントロールなど、パラメータをいくつか検討する必要があります。このウェビナーでは、当社のシニアサイエンティストRonny Kellner博士が、QIAcuityシステムでのdPCRにより、どのようにmRNAターゲットでの非常に高感度で正確な定量が可能になり、最小濃度での最も小さい発現変化でも検出できるのか説明します。ケーススタディでは、尿を用いたリキッドバイオプシーとdPCRの組み合わせによって、どのように膀胱がんの分子特性解析の未来を推進していけるのかについて紹介します。  

Ronny Kellner
製品 
RNAバイオマーカー研究用の当社dPCRアッセイをご覧ください

QIAGEN Digital Insightsには、遺伝子発現データに隠された生物学的意味の理解に役立つ、強力なバイオインフォマティクスツールが用意されています。QIAGEN OmicSoftでは、遺伝子発現パターンを比較し、上方または下方に制御された遺伝子を視覚的に見つけて、可能性のあるバイオマーカーを同定できます。QIAGEN OmicSoftのウェブベースのLand Explorerを使用すると、数十万ものキュレートしたデータセットにアクセスして、数百の疾患カテゴリーにわたる標的遺伝子の発現や突然変異状況を検討することができます。

QIAGEN Ingenuity Pathway Analysis(IPA)は、遺伝子発現の変化の原因と影響を理解し、さらなる探索のための潜在的なターゲットを特定することに役立ちます。どの上流制御因子が変化の原因なのか、また、それらは活性化されているのか抑制されているのかが予測できます。下流への影響を視覚化して、どの遺伝子が下流の生物学的プロセスでの増加または減少を引き起こしそうかも特定できます。

高異型度漿液性卵巣がんにおける腫瘍微小環境のシングルセル解析

このウェビナーでは、QIAGEN Digital Insightsバイオインフォマティクスツールが、どのようにヒトのシングルセルシークエンシング実験から得た全トランスクリプトームデータの解析と解釈に役立つのかを紹介します。

Single-cell analysis of the tumor microenvironment in high-grade serous ovarian cancer

製品

一丸となってがんを克服しましょう。