Cat. No. / ID: 76064
exoEasy Kit は従来の超遠心によるエクソソーム/マイクロベシクル分離法に比べ、わずか25分で精製ができます。exoEasy Maxi Kit は、血清/血漿/細胞培養上清からのエクソソームや細胞外小胞(EVs)のアフィニティーメンブレンへの吸着を利用します。この手法は由来する細胞の違いやサイズによるEVs の識別をすることはなく、また、特定のエピトープにも依存しません。その代わり、小胞に共通する生化学的特徴を利用してサンプルに存在する全ての細胞外小胞を回収します。(図 exoEasy Maxi Kit で単離した細胞外小胞のNanoparticle Tracking Analysis(NTA)による同定)。そのため、プロトコールを始める前にサンプルを遠心やフィルトレーションによって細胞や細胞小片などを完全に除去することが重要です。
Exosome Diagnostics, Inc. によって開発されたこの技術は、スピンカラムフォーマットと専用のバッファーで構成され、フィルトレーションされた生体体液からの細胞外小胞を精製できます。血清/血漿は最大で4 ml を使用可能であり、細胞培養上清においては最大 32 ml までの処理が検証されています(カラムに4回ロード)。しかし、細胞培養上清中の小胞濃度は細胞タイプと培養条件に大きく左右されます。従って、初めて実験を行なうサンプルに関しては、16 ml の細胞培養上清から検討することをお勧めします。それ以上のサンプル量を用いた場合、結果として小胞の収量が減少する場合があります。操作はとても迅速で再現性が高く、エクソソームや細胞外小胞の機能解析に使用できます。小胞と異なる、血清/血漿中で豊富に含まれる大きなタンパク質複合体のような粒子状物質は主に結合ステップと洗浄ステップ時に除去されます。
細胞外小胞分離のための全体の操作はわずか25分です。プレフィルトレーションした血清/血漿/細胞培養上清(0.8 µm 以上の粒子を除去済み)をBuffer XBP と混合し、exoEasy メンブレンアフィニティースピンカラムに通液し、EVs を結合させます。EVs が結合された状態でBuffer XWP で洗浄し、400 µl のBuffer XE で溶出します(主に無機塩を含んだ水溶性バッファー)。溶出液は生化学分析や物理的分析に即利用可能となります。生物学的なアッセイのような特定のアプリケーションにおいて、追加の濃縮またはバッファー置換が必要になることもありますが、100 kDa以下のポアサイズの限外濾過をすることで対応が可能です。