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PAXgene Tissue Containers で固定、保存した組織サンプルは、続いてmiRNA、RNA、DNAを精製することは勿論、パラフィン包埋し、病理学研究にも使用できます。PAXgene Tissue miRNA Kit は、PAXgene Tissue Containersで固定と安定化を行なった組織から、約18ヌクレオチド以上のRNAを含むトータルRNA精製を実現します。精製は、シリカベースのRNA精製テクノロジーを用いてスピンカラムフォーマットで行なわれます。本キットはPAXgene Tissue Containersと併用して組織の採取・固定・安定化から分子解析のための高品質なmiRNAおよびトータルRNA精製までをカバーするプレアナリティカルなトータルソリューションを提供します。
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PAXgene Tissue ContainerとPAXgene Tissue Kitの組み合わせは、組織の採取、固定、安定化から分子解析のための高品質RNA(miRNAを含む)精製まで、プレアナリティカルなトータルソリューションを提供します(図 “PAXgene Tissue Containersで保存した固定組織からの効率的なmiRNA精製”)。
PAXgene Tissue miRNA Kitを用いて精製したトータルRNAは高純度です。ゲノムDNAのコンタミは最小限で、精製RNAはPCR阻害が観察されることなくダウンストリームのアプリケーションにすぐに使用できます。18ヌクレオチド以上のRNA分子はすべて精製されます。
従来の組織学分野で使用されている現在の組織固定法は、分子解析に使用するには限界があります。ホルムアルデヒドを含む固定剤が生体分子にクロスリンクし、核酸およびタンパク質を変性します。組織の固定、保存、および処理中に、核酸の分解がクロスリンクにより生じます。クロスリンクを完全に除去できないために生じる化学的な変化は、定量PCRおよびRT-PCRなどの感度の高いダウンストリームアプリケーションにおいて阻害の原因になります。遺伝子解析と従来の病理学研究を同一検体から行なうためには、分子の安定化および形態保存を実現する方法が必要です。
PreAnalytiXはこのようなニーズにあったPAXgene Tissue Systemを開発しました。本システムは、組織採取用容器(ヒト組織切片の採取、安定化、保存、輸送用PAXgene Tissue Container)と、トータルRNA、DNA、miRNAの精製用キットから構成されています。PAXgene Tissue Containerは、病理組織学のための組織固定化を行ない、また同一サンプルから分子解析用の高品質核酸の精製が可能です。この組織の固定および安定化法により、組織形態は保存され、ホルマリン固定組織で見られるようなクロスリンキングや分解のない核酸が得られます。
miRNAを含むトータルRNA精製のためには、PAXgene Tissue Containers で組織の採取と安定化とPAXgene Tissue miRNA Kitを用いたRNAの分離と精製を含むシステムが必要です。PAXgene Tissue Containersは、2種類の試薬がそれぞれ充填された2つのchamberで構成されています。PAXgene Tissue Fixは迅速に組織に浸透し固定します。固定後にPAXgene Tissue Fixから組織を取り出し、同じ容器の2つ目のchamber に入っているPAXgene Tissue Stabilizerに組織を移します。組織をPAXgene Tissue Stabilizerで保存すると、組織サンプルの核酸と形態は室温で最低3日、最高7日間、2~8℃で最低2週間、最高8週間安定です(組織タイプに依存)。-15~-30°Cで少なくとも26ヶ月間の保存も可能で、組織形態や核酸の品質には悪影響はありません。
安定化したサンプルは、組織研究用にパラフィン包埋ができます。パラフィン包埋の前か後で、PAXgene Tissue で固定し、パラフィン包埋した組織サンプルから核酸を分離できます。
PAXgene Tissue miRNA Kit ではPAXgene Tissue Containersで固定、安定化した組織からのトータルRNA(5.8S rRNA、5S rRNA、tRNAs、miRNAなどの200塩基未満のRNAも含む)精製用に3種類のプロトコールを提供しています。至適化済みの結合条件と洗浄条件により、わずか18ヌクレオチドのRNA分子の精製も可能です。必須条件として、組織は必ずPAXgene Tissue Containersで固定、安定化しなければなりません。
組織サンプルの破砕とホモジナイゼーションは、結合バッファーBuffer TM1中で行ないます。残存している細胞破片を除去するための遠心ステップ終了後、18ヌクレオチド以上のRNA分子をすべて結合する条件を実現するためにライセートにエタノールを添加します。その後サンプルをPAXgene RNA MinElute Spin Columnにアプライすると、トータルRNAはメンブレンに結合し、コンタミは効率的に洗浄除去されます。最初の洗浄ステップ後、メンブレンをDNase Iで処理して微量の結合DNAを除去し、その後2回目の洗浄ステップを行ないます。洗浄ステップ後、miRNAを含むRNAは低塩濃度溶出バッファーで溶出され、加熱により変性します(図 “PAXgene Tissue miRNA 操作”)。
PAXgene Tissue FixおよびPAXgene Tissue Stabilizerの固定および保存条件の詳細は、動物組織を用いて決定しました。
精製したmiRNAおよびトータルRNAは、以下を含む様々なダウンストリームアプリケーションに最適です:
Features | Specifications |
---|---|
Time per run | 70 min + 15 min incubation/8 samples (120 min for fibrous tissues) |
Applications | Northern blot analysis, RT-PCR and quantitative, real-time RT-PCR, microarray analysis |
Sample amount | 4 x 15 x 15 mm |
Elution volume | 14–40 µl |
Processing | Manual (centrifugation) |
Main sample type | Human tissue |
Yield | Depends on tissue type and starting material (fixed or PFPE*) * PAXgene Fixed Paraffin Embedded. |
Technology | Silica technology |
Format | Spin column |