Cat. No. / ID: 333502
QIAseq targeted DNA Panels は、分子バーコードによるデジタルシークエンスを可能にするターゲットシークエンス用ライブラリー調製試薬です。分子バーコードによりPCR duplicate、偽陽性およびライブラリー増幅バイアスの問題を克服し、正確な低頻度変異検出を可能にします。また、GeneGlobe によるクラウドベースのフリーデータ解析ツールを提供しています。本製品はターゲット増幅からライブラリー構築に必要な試薬が1キットに全て含まれています。Single primer extension(SPE)技術による特殊なプライマーデザインで、1種類の遺伝子特異的なプライマーでターゲット増幅が可能なため、必要なプライマー数は従来のPCR 増幅法の半分で済み、1チューブでご提供が可能です。さらに、SPE 技術はデザインのフレキシビリティを格段に向上させ、難しい領域へのプライマーデザインも可能にします。サンプルインデックスは、ご使用のプラットフォームに合わせて適切なキットを別途ご選択いただき、組合せで最大384マルチプレックスまで可能です(イルミナおよびサーモフィッシャーシークエンサー対応)。
PCR duplicate はターゲットシークエンシングの大きな問題の一つです。その理由は、PCR 増幅を通じて、固有であったDNA 分子を互いに区別できない同じDNA 分子に変えるからです。さらに、PCR 増幅とシークエンシングプロセスで生じるエラーは最終リードにも存在し得るため、偽陽性と真の変異の識別ができず、DNA に低頻度で存在する変異を確実に検出できなくなる可能性があります。PCR duplicate と増幅アーティファクトの問題を解決するため、QIAseq Targeted DNA Panels は、分子バーコードを増幅前のDNA に組み込んでから増幅を行います。これによりスタート時点でのDNA 分子の固有性を維持することが可能になり、PCR duplicate、偽陽性、ライブラリーバイアスの問題を克服します。
QIAseq Targeted DNA Panels の全ワークフローは約9時間で、抽出したDNAからシークエンシング可能なライブラリー調製まで完了します(図:ワークフロー 参照)。抽出したDNAを断片化後、分子バーコードを付加し、ターゲットを濃縮し、ライブラリーを調製します。シークエンシングファイルは、キアゲンのクラウドベースのデータ解析パイプライン、GeneGlobe に組み込むことができます。これは、リードをフィルタリング、マッピング、アラインメントするステップを含むだけでなく、ターゲット領域の分子バーコードをカウントし、分子バーコードに基づいた変異を識別することもできます。出力されたデータは、弊社のデータ解釈ツールQCI にインポートすることも可能です。
QIAseq Targeted DNA Panels は、多様なアプリケーションとサンプル種に対応しており、様々なDNA 変異を検出できます。
DNA variants:
サンプルの種類:
アプリケーション:
最小10 ng の精製DNAを酵素法により断片後、IL-N7アダプター、分子バーコード、片側のサンプルインデックスを付加します。つづいてSingle Primer Extension(SPE)によるターゲット濃縮を行います。SPE 法は、アダプター配列をユニバーサルフォワードプライマーとして利用することにより、遺伝子特異的プライマーは片側のみでターゲット濃縮できる技術です。最終的に、IL-S5サンプルインデックスプライマーとユニバーサルプライマーを用いてライブラリー増幅を行います。その際、同時にもう一方のサンプルインデックス付加(dual index 対応)が行われ、ライブラリー構築が完成します。